誘惑の声



「へぇ....珍しいね。涙(なみだ)なんて」

「悲しい名前でしょ?」

「俺は好きだけどな、涙って名前」



ドキッ



な、なにドキドキしてるのよ

名前褒められただけでしょ


赤くなる顔を押さえて下をむく


そんな私をみた彼は

「....照れてるの?かーわい」



そう私の耳元で囁いた

「っ....」

息が耳にかかり反応してしまう


彼はそんな私をきっと見逃さなかっただろう

そして彼は不敵な笑みを浮かべて

口を開いた


「俺の名前、知ってる?」

「え、あ、早川....雪くん....」

「知ってたんだ」


彼は驚いたように私を見つめる