春の日差し

私は静かに頷き、布団から這い出る。


やだな、よりにもよって、ハルヒの家だよ。


「お隣だから近いじゃない。ゆっくり行っても30秒かからないわよ」


母はそう言っていたけれど、私にはそこが問題じゃなかったのだ。


「お父さん、遅いんだね。会社は?」


靴を履きながら聞くと、父はコーヒーを啜りながら言った。


「午後から行くよ」


それだけ言い残し、新聞をばさりと広げる。


そういえば、私、何か夢を見たんだった。


その夢は、起きた時あんなに鮮明に覚えていたのに、今となっては1ミリも覚えていなかった。