春の日差し

「創摩くん、いなくなっちゃったものだから、彩芽、すごく泣くんじゃないかと思ってたのよ。なのに、全然、本当に全然泣かないから驚いたわよ。私でさえ、朝のチャイムが鳴らなくなって寂しい思いしてるってのに」



母のむかむかしたような声が聞こえた。



「まあ、いろいろあるんだろう。そんな年頃なんだ。人が亡くなることを実感できていないんだよ」


父のなだめるような声が聞こえた。



「………それもそうね。あぁ、それにしてもあんまりだわ」



母の大きなため息が聞こえてきた。



胃の奥底から、嫌な感じのものが逆流してくる。



日常生活が戻ってくると思っていた。



でも、当たり前のようにして私の元にやってきたのは、悲しい現実のみだった。



私は慌てて自分の部屋へと戻り、布団の中へ潜り込んだ。



息が荒く、今にも意識が遠のきそうだ。