「おはよう!彩芽ちゃん!」

ニコニコ顔で私に挨拶をする、彼。


「おはよ、創摩」


幼稚園バスに乗り込みながら、私もニコニコ顔で挨拶する。


彼、春日 創摩(かすが そうま)は、家が隣の男の子。


「ね、今日ね、折り紙するんだってさ!彩芽ちゃんは何作るの?」


「うーん・・・。まだきめらんないよ~」


私はヘヘッと笑うと、創摩の隣にすわった。


幼稚園バスは、使い込まれているせいか、すわり心地が悪い。



「そっかぁ、だよね。あっ!そうだ。今日のお弁当はねー・・・・」


彼の話に耳を傾けず、ぼんやりと窓の外を見つめる。


びゅんびゅんと目まぐるしく変わる外の世界。








まだ、5歳の私たち。