春の日差し

「もう7月かあ・・・。暑いね」


パタパタと教科書であおぎながら薺は言った。


「だね。じゃ、帰りにアイスでも食べていこうか?」


私は駅前にある小さいけれどおいしいアイスクリーム屋に行きたかったのだ。


「ん、いいね。俺何食おうかな・・・。イチゴにしようかな」


「ぷっ、ハルヒってば、男の子なのにイチゴ?イメージにあわないよ」


薺は、ハルヒのことをよくからかう。


「昔っから好きだよね、ハルヒ。小さい頃とか、よく近くのビニールハウスからイチゴ盗んで食べてたじゃん」


私たち以外、誰もいなくなった教室に私の声が響く。


「ん、まあな。うまいじゃんかよ、イチゴ」


ハルヒの笑顔が、一瞬太陽みたいに輝いてるなあ、と思ったのは、昔の無邪気だったハルヒと重なったからだろうか。






私たちは徒歩でアイスクリーム屋にいくことにした。


学校からでもかなり近いので、手軽にいける。


「・・・寄り道、ってよかったんだっけ?」


蓮が不安そうに私に聞く。


蓮は規律を乱さない人だ。


校則もよく守っている・・・というか、やぶっているところを見たことがない。



「おいしいから、いいんじゃない?」


私はアイスをほおばりながら言った。


そうだ。


みんなと楽しくこうしてアイスを食べられるんだから、校則がどうのだなんて言ってられない。



これが、私たちなんだから。