ココロトタマシイ



彼女は訝しげに南くんを睨むと、大きくため息をつく。


「あ、そう。別にあんりにはカンケーないからいいけどー」


彼女は渋々拳銃をしまうと、くるりと私に背を向ける。

そのまま南くんの耳元に口を寄せると、何かを囁いたようだった。


「あんり…あんまりふざけたことを言うと、いい加減怒るぞ」


「やだなぁ、そんな恐い顔しないで?

せっかく人が親切に教えてあげてるんだから」


「余計なお世話だ」


彼は冷たく言い放つと、彼女の肩を掴んで自分から遠ざける。

それを彼女は、不服そうに上目遣いで睨んでいた。