ココロトタマシイ



彼女は納得のいかないような顔で私に近づくと、まじまじと私の顔を見つめる。


「あなた、この間変な光を出したと思ったら消えたよねぇ?

あれ、どうやったの?」


「し、知らない。
私、あの時のこと、よく覚えてないから…」


「へぇ…?
じゃあ、もう一回同じ目に遭わせたら、またできるかなぁ?」


え………?


そう思う暇もなく、彼女はにっこりと微笑むと、

いつの間に出したのか、銃口を私に突きつけ、難なく引き金を引いた。



大きな衝撃音と微かな振動。

足元の土ぼこりが、大きく舞ったのが分かる。


咄嗟に目を瞑ったおかげで、目には入らなかったが、

私はとあることに気が付いた。


「あ、れ……」


私、撃たれたはずなのに、何ともない…。

痛くもないし、血が出ている感じもしない。


そっと目を開けると、目の前に拳銃の弾が止まっていた。

何か、見えない壁に阻まれるように、ピタリと動かない、


「ちょっと、靖ちゃん。どうしてあんりの邪魔するの?」


「そいつはまだ殺さないって言っただろう。
いずれ僕が狩るんだ。それまでは生きててもらわないと困る」