「えっ・・・?」
驚いたような声を出したのは女子、ではなく雫だった。
「えっ、何で怜が知ってるの!?」
「・・・何でそこお前が言うんだよ。普通違うだろ」
翔琉が素早くツッコミを入れる。
まあ、そうだよな。
文句があるなら休憩時間に俺に話し掛けてきたクラスメイトに言ってくれ。
いや待て。
ていうか、合ってんのか?
「いや、だって!怜が女の子の名前知ってるなんて、おかしいもん!」
「・・・え、てか合ってんの?」
うんうん、と雫が大袈裟に頷く。
何だ、合ってんのか。
やはり俺の視力は凄い。
だって両目1.0だから。
すると、アサギさんが少し小さめの声で言った。
「あ、浅木です・・・。浅いに木って書いて浅木です」
なるほど、そう書くのか。
「・・・クラスの奴が、可愛いって言ってたよ」
「ええっ!?そ、そんな・・・」
ふと俺が浅木さんのことを知っていた原因を言うと、浅木さんはブンブンと目の前で大きく手を振り、否定の意を表した。
それからというもの、俺と浅木さんの会話はそれっきりで、他は雫と翔琉が二人で話していたと思う。
というのも、俺はさっさと一人で購買に買いに行ったのでその場には俺以外の三人が残された。
「じゃあね!」
相変わらず元気なテンションの雫がそう言い、俺たちは別れた。
