昼御飯になると、いつも翔琉がやって来る。
「おーい、怜!ご飯食べようぜ!」
「おう。あ、俺、今日購買だった」
「マジか。よし、行こうぜ」
お金をズボンのポケットに突っ込んで席を立つ。
「お前、生?」
生、とはお金のことを言っているんだろうか。
「おう。だって、重いじゃん?」
「財布を重いって言うヤツ初めて見た」
購買にはいつも通り人が沢山いた。
「うっわ、くそ多いな」
「めんどくさ・・・」
人混みは嫌いだ。むさい。
人混みから少し離れて様子を窺っていると、翔琉が「あ、」と声を出した。
「あ?」
「雫がいる。おーい、雫!」
翔琉は人目も気にせず、雫の名前を大声で呼ぶと手をブンブンと振った。
よく見えたな。
俺、視力良いけど分かんなかった。
そう言うと、翔琉は「俺はお前と雫限定だ」と自慢気に言った。
「・・・え、俺も?」
「おう。だって、お前、すぐフラフラするし」
「・・・」
すると、翔琉が言った通り人混みを通り抜けて雫が出てきた。
と、思ったら雫は誰か女子と手を繋いでいる。
「翔琉!怜!今日購買?」
「うん、まあ・・・」
「おう。怜が購買だ」
「もう買ったの?」
「まだ。―――っていうか、雫、その子困ってんぞ」
翔琉が、「ん」と繋いでいる手を指差すと雫は今更だという風に更に腕を絡ませた。
あれ・・・何か見たことあるな、この子。
「可愛いでしょー、この子」
「ちょっ、雫ちゃん変なこと言わないでよ・・・わ、私、可愛くないから!」
「ハイハイ。あ、紹介するね。っても、怜は同じクラス・・・まあ、アンタが知ってるわけないか。この子はね――」
「“アサギ”さん・・・?」
