一ヶ月後。
「ねえ、相澤。お前、好きな人いないの?」
「は?いきなり、何・・・」
ようやくクラスにも馴染んできて、友達と呼べる人も増えてきた時期。
休憩時間にクラスメイトに不意に聞かれた。
「いや、だって。お前、小野寺さんと仲良いじゃん」
「あ、それ俺も気になる」
小野寺、というのは雫のことで。
ついに来たか、と俺は頭の片隅でぼんやり思うのだった。
「・・・雫?何で?」
「まさかの名前呼び!だって、小野寺さん、超可愛いじゃん」
「・・・」
そんなわけあるか。
まあ、でも一般的に見ればそうなのかもしれない。
俺の幼馴染みは、モテる。
「俺とアイツは幼馴染み。よって何もない」
「くーっ!羨ましい!」
そんなにか。
ならば、これで諦めるだろう。
「・・・アイツ、彼氏いるぞ」
「えっ」
「マジで・・・?誰!?」
「隣のクラスの青山翔琉。・・・まあ知らねえか」
翔琉の名前出すと大体、雫を狙っている奴等は諦める。
だって、翔琉に勝てるヤツとかいないし。
俺もそう思っているし。
それに俺だって、雫が変な男に狙われるのは幼馴染みとしていい気がしない。
「・・・アイツか・・・。まあ、無理だな」
ほらな。
「えー・・・じゃあ、西田さんとか?」
「・・・誰?」
知らない名前が出て、首を傾げる。
すると、クラスメイトの一人が言った。
「お前ってさー、イケメンなくせに女子に興味ないよな」
「は?」
急にそんなこと言われても。
「まあ、そういう無頓着なところもカッコいいんだよな」
「・・・はあ。そんなこと初めて言われた。ありがと」
「うおっ。今ドキッとしたわ、俺」
「意味分かんねえよ」
・・・コイツら頭大丈夫か。
