下駄箱で靴を履き替えていると、雫が急にでかい声を出した。
「緋奈ちゃん!」
“ヒナチャン”?
知らない名前に俺と翔琉は顔を見合わせ首をかしげる。
「雫ちゃん、おはよう」
そんな雫とは反対に、“ ヒナチャン”と呼ばれた落ち着いた声が返ってきた。
「今日は早いんだね」
「あ、あたしだって毎日寝坊してるわけさじゃないんだからね!」
寝坊してんのか、お前。
今度、雫の母さんにチクってやろう。
俺がそんなことを考えている間にも、良い感じに高い朗らかな声がする。
「そう?あ、雫ちゃん、私先に教室上がっとくよ?」
「ううん、どうせコイツらだから」
そんな失礼なことを言った雫が、ひょいと身体をずらす。
そこで、声の持ち主がこちらを見た。
「あ、」
「・・・あ?」
