あれから、10年程経った頃。

仕事を終えて

自宅のある通りを歩いていると、

通りの向こうに手を振るひとがいる。

見間違うことのない

恋焦がれていたひと。

わたしは未だにあの傷を癒されていず。

ほんとうに愛せるひとは

このひとしかいない事にも気付けずに。