「わたしは、わたしだけを好きでいてくれるひとがいい。」

これが、わたしの答え。

電話で話したと思う。

どうしても会って欲しいと言われて、

会いに行った。

涙も出なかった。

中学1年の時に、一目見た時から、

好きだったことを伝えたら、

彼はもっと前からわたしを知っていて、

好きだったと言った。

雨が降っていたと思う。

「さよなら。」

自宅から少し離れた公園の傍に停めた車の、

助手席のドアを開けた時、

「クソッ!」

と言って、

ハンドルに拳を打ちつける彼を見たのが最後。

わたしは決して振り向かなかった。