真紀「ここは...?」

どうやら気絶していたようだ。

真紀「海斗っ海斗はどこ?!」

海斗「ん...ここにいるよ」

ほっ

真紀「よかったぁ。それにしてもよくついてきてくれたよね」

海斗「少しくらいは興味あったからな」



今、私たちがいる場所はさっきと同じ鳥居がある場所



桜の木が目印で草原が広がっている

この桜の木、まさか...

触ってみるとまだ新しい。

海斗「つーかこの格好は?」

そして何故か着物を着ている。

海斗は腰に刀を。

真紀「とにかく歩いてみよっか」

少し歩いただけで辺りはまったく違っていた

私たちがいた世界とは真逆で着物を着たり袴を着たり刀を差していたり。

やっぱりここって幕末?

さっき陸くんに会った時に無意識のうちに私、幕末に行かないとっなんて言ってたし。

あの時、本当にどうかしてたなぁ

「ほらほらお金だしなよ」

「嫌です!これは私たちが一生懸命貯めたものなんです!」

「なんだと?こら」

なにあれ...
お金奪ってる。

幕末は治安が悪い。

そんな様子を片目で見て歩き続ける

海斗「これからどうする?行くあてもないし」

真紀「新選組の屯所に行く」

海斗「新選組?」

海斗は知らないみたい。

真紀「習わなかった?」

海斗「習ったような習ってないような...」

まぁ普通の学校はそこまで習うところじゃないからね。





真紀「そういえば私たちってタイムスリップしたんだよね?」

海斗「そうだよな〜それしか考えられない」

タイムスリップなんて空想の中の世界だけかと思ってた

本当に行けるもんなんだなぁ



何時間経っただろうか。

まったく新撰組の屯所が見つかる気配はない。

海斗「もう誰かに聞けばいいじゃんかー」

真紀「私もそれは考えたんだけどこの時代のことはあまりしらない。下手にして死んじゃったらいけないから」

海斗「道聞いただけで殺したりしないよ」

私は慎重になり過ぎているのかな



すると

(ザワザワ)


この辺りの町人が一点を見てヒソヒソ話してる


真紀「なんだろう?」

私も見た

海斗「おい、あれって....」



「あーあれ新選組じゃねぇべか?」
「やぁね。早くどっか行ってほしいわ」


新選組!やっと手掛かりを掴めた!

でもどうやら町人たちには嫌われているらしい。

確か、局長の芹沢さんが原因だってどこかの本に書いてあったような。


真紀「とにかく、海斗行くよ!」
海斗の手をとって新選組の後をこっそりつけた。


巡察中だね。少人数だし。


何回か角を曲がってやっと着いたのは屯所。

私たちがいた時代にあるものとまったく一緒。



「じゃあ今日はお疲れ様。みんなもう行っていいよ」

「「はい!」」

組長さんかな?

組長と思われる人物だけは戻らずに立っていた

「んで、君たちはなんで僕たちについてきてるわけ?」

気づかれてたっ!

「ことの次第では...斬るよ?」

刀に手を掛けた


...危ない。

真紀「はっ初めまして!新選組の屯所に用があったのですが道が分からず付いてきてしまいました。」

「屯所に?」

もっと表情が険しくなった。

「はい。私は春と申します」

確かこの時代での私は春って言う名前でいいんだよね


「貴方様のお名前は?」

警戒心が緩んだのか、刀から手を降ろした

「僕は新選組一番組組長の沖田総司」

沖田総司ってあの有名な!

ちょっと写真と違う気がする。

沖田「じゃあ案内するからとりあえず中入って」

「ありがとうございます」

沖田「あと、少しでも奇妙なことしたら、分かってるね?」

「はい。」

殺される。
この時代は命がけだ。