「おい、先生が来たぞ。」
「先生!彩菜は大丈夫なんですよね?」
え?…先生?…大丈夫?…なんのこと?
白衣を着た男の人があたしの隣に来た。
「有馬 彩奈さん、喋れますか?大丈夫ですか?」
その人は真剣な顔で聞いてきた。
「……ここ、どこ…ですか…?」
さっきと同じ、かすれた声しか出なかった。
それに…大丈夫ですかって…どういうこと?
さっきから全然理解出来ないことばっかり…。
「ここは病院です。彩奈さんはここに運ばれてきました。少しですが、喋れるようですね。
また後で呼びに来ます。」
そう言って、白衣の人は出て行った。
運ばれた?何があったんだっけ?
さっきの人が言っていたことを理解しながら、頭の中で整理した。
