幸せでした。

ー葵sideー

彩奈は、凌と別れた。

彩奈は覚悟を決めたんだ…。

もう彩奈には時間がないんだ…。


「彩奈…!」

公園をでてからすぐに彩奈に電話をした。


プルルルッ プルルルッ

「あ、彩奈?」

「葵…。あたし、言ったよ…。」

「うん。さっき、凌くんに会ったんだ。彩奈、今から話したいんだけど…。」

「じゃあ、うちに来てくれる?」

「うん。ありがとう。待ってて。」

「うん。じゃあ、後でね。」



彩奈……泣いたんだ。

声が震えていた。まだ、ないているのかもしれない。

早く行かなきゃ!

彩奈には、最後まで、後悔しないようにいてほしい。

彩奈もそう言ってた。

本当は、凌くんに病気のことを言って、最後まで一緒に過ごした方がいいんじゃないかと思った。

でも、彩奈が決めたことだから、協力した。


でも、やっぱり言おう。

彩奈は、きっと、家族やあたし達といるより、凌くんといる方が幸せだと思う。

凌くんといると、すごく幸せそうに笑う彩奈があたしは好きだから…。