幸せでした。

ー凌sideー

俺はあの後、ずっと公園にいた。

動けなかった。

こんな話をされるとは、思っていなかったから……。

『別れてほしいの。』
『別に好きじゃない。』
『サヨウナラ…。』

本当に、彩奈が言ったのか…。

いつも、笑っていたのに…。

今だに信じられない。

「彩奈……なんで……。」



「あれ?凌くんじゃん!何してんの?」

「ああ、葵か…。」

「彩奈は?」

「さっき…帰ったよ。」

「ふーん。じゃあ、うちも帰るわー!じゃ、バイバーイ。」

「葵、さっき、彩奈に、フられたんだ。」

「え?!
そっか、ついに言ったのか…(ボソッ)」

「え?おい、どういうことだよ。」

「え、あ、その、な、なんでもないよ!」

「お前、嘘がヘタなんだよ。」

「あ……。」

「彩奈に何かあったのか?」

「言えないんだよ…。」

「何でだよ…俺には言えないって…なんでなんだよ!」

「彩奈はあんたに幸せになってほしいからって言ってたよ。」

「え?」

「あたしが言えるのはこれだけ!
じゃあね! バカップル!!」

「あ、おい!待てよ!
つか、もうカップルでもねーんだって…。」


幸せってなんだよ…!
俺は、彩奈がいなかったから、幸せになれるわけねーじゃねーかよ!!


彩奈…なんで教えてくれねーんだよ…。