幸せでした。


そんなことを考えていたらあっという間に放課後になってしまった。


「彩菜、帰ろうぜ!」

「うん!あのさ、寄りたいとこがあるんだけど、一緒に行ってくれる?」

「ああ。行きたいとこってどこだ?」

「桜野公園だよ!」

桜野公園は、あたしたちが初めて出会った場所で、あたしが凌に告白された場所でもある。

「何しにいくんだ?」

「えっと…それは…ナイショ…。」

「? 分かった!早く行こうぜ!」

「うん、行こう!」



ー桜野公園ー


着いちゃった…。早かったな…。


「んで、話ってなんだ?」

「うん、えっとね…










あたしと、別れてほしいの。」


「……は? え、なに、言ってんの?」



「だから、あたしと……別れてほしいの!」



「え……ウソだろ?なんでだよ…俺、なんかしたか…?」




「別に。ただ、最近、しつこくて、イヤだっただけ。」


違う。違うよ。本当は、違うんだよ。


「そんな風に…思ってたのか…?」


「そうだよ。付き合ってから突然しつこくなってさ。正直イヤだったんだよね。」


違う。そんなことなかった。嬉しいことばかりしてくれた。


「それに、そんなに本気じゃなかったし。告白されたから付き合っただけだよ。」


本当は、すっごく嬉しかった。夢じゃないかと思うくらいだった。



「だから、別に好きじゃない。」



本当は大好き。こんなこと、言いたくない。



「そうか……本気だったのは……俺だけだったのか…。」


「うん。だから、サヨウナラ…。」


あたしは涙が出そうだったから、すぐに後ろを向いて家に向かった。





凌……ごめんなさい……。



本当は…大好きだよ…。


愛していたよ。


凌、こんなあたしを愛してくれてありがとう。






サヨウナラ………凌……。