A sacrifice is you.~起源~





「おい!璃華しっかりしろ!」

侠が私の身体を揺すっていた。

「っ!杏菜が!杏菜が!」

私は興奮気味に侠に言った。

「は?正気か?」

正気だよ!

「だって電話が!」

「死者が生きてるわけねぇだろ!!」

「……。」

「ごめん。璃華……。ごめん……。怯えるなよ。」

侠は私を優しく抱きしめた。

ごめんね……。侠も辛いはずなのに……

私は、携帯を見た。

しかし、私の携帯には杏菜からの着信履

歴は無かった。

「私の見間違えだったかも……。ごめ「ばーか。謝んな。そういう事もあるし。後……怒鳴ってごめんな?」

「うん……」