「……!」
『グアルルルルルル』
青鬼は大きな音で威嚇した。
思わず声が出てしまいそうになり、両手
で抑える。
そして、青鬼は足音をペタペタとさして
去っていった。
「ハァハァ……」
もう、行ったのかな……。
安心して声出した私が馬鹿だった。
『バキバキバキ』
頭上からメキメキと音が聞こえた。
『ミ、ツ、ケ、タ』
騙された……。
カタカタ震えるキャリーバッグを見て青
鬼は笑う。
私は侠に助けてなんて言えない。言った
ら侠が死んじゃう!
キャリーバッグを無理やり壊し私を片手
で掴む。
ヒィィィィ。
青い体に白い髪の毛。2本のつのを付け
生きているの者じゃありえない赤黒い目
で私を見下ろしている。
『オ、ン、ナ、ハ、ウデ…』
赤く染まった口で話す。
タ ス ケ テ……。

