「………?誰?」
彼もキョトンとしている様だ。
知らない人。
ということになる。
「……はぁ。こんな山奥に襲撃があったと思えばまさか、其処に居る姫さん目当てとはねー。」
「うん。そう言うことでこの子は連れていくね?」
「………へーと……引き下がる俺じゃねんだよ!!あ゛ぁ゛!?」
急に野太い声になる。
部屋中に その怒号が響き渡り、
肩が震える。
だけど、私を外に出そうとしているその人は目を細めまるで笑っている様だった。
「…引き下がってもらわないと……後ろに居る人が君の脳天ぶち抜くよ?」
「………!?」
向かい合っている野太い声になったその人は目を見開き、
後ろを向いた。
後ろを向けば、私も少ししか見えないが同じ黒一色の服に身を包んでいる黄色の瞳の人。
「Good-bye」
瞬間目の前が真っ暗になり、
なにもかも見えなくなった。

