爆発寸前の心臓を落ち着かせるように、自分に言い聞かせるように、静かに考える。
僕と彼女では釣り合わない。
分かってる。
分かってしまっている。
こんな考え方をする自分が嫌で、こんな考え方をしなければ彼女を本気で好きになってしまいそうな自分が嫌で。
「優希!」
「なにっ!?」
自分の世界に引き込まれていた僕を引き戻す千晃の声に、慌てて反応する。
見ると、千晃は楽しそうに口元をニヤリと緩めていた。
「…なにさ。」
「亜紀と話すの初めてだったろ?どう?可愛いだろ?」
「…うん。」
「だろー!!」
何故か、自分が褒められたことのように喜ぶ千晃はニコニコと満面の笑みで、「よく分かってるなー!」と僕の頭をクシャクシャにした。
「なんで千晃がそんなに喜ぶのさ、僕が褒めたのは河本さんだよ。」
クシャクシャになった髪を整えながら言うと、
「分かってるっつーの。ただ、お前にも好きな人が出来るのが嬉しいだけですー」
そう、けれども、やっぱり千晃が嬉しそうに言った。
「それに!」
「それに?」
満面の笑みのまま人差し指を、ピンッと立てて言った千晃の言葉を、無意識に復唱する。
千晃はズイッと人差し指を前にだし、
「友達もいないお前が、なんで早く学校に来てるのかがよく分かった」
僕の眉間をグイッと押した。
「別にそういう訳じゃ…っ!!」
「そういう訳じゃ?」
「……そういう訳じゃ…なくは、ない、けど…。」
「いやぁ、青春してるね!」
「痛い痛い!」
人差し指で眉間をグリグリするのは千晃の地味な嫌がらせの1つで、なんだかんだ言っても地味に痛い。
