無口で鈍感な君に恋をしてしまった


神崎さんは動揺した。

当たり前だ

こんなこと俺が決めることじゃないけど、俺はこれ以上神崎さんの泣いているところを見たくないと思った……。

「言いたいこと言ってスッキリしませんか?そうした方が楽になります。」

「でも、私何言ったらいいかわからない……」

「じゃあ神崎さんは、その彼氏さんと親友にどうして欲しいんですか?」

「私はっ……!」

神崎さんはまたボロボロと涙を流しながら、うつむいた。

「私は……今までどうり佑羽とは彼氏でいたいし、心音香とは親友でいたい……」

「……」

「でも、もし佑羽と心音香が両想いなら、二人には幸せになって欲しいから……私は佑羽と別れる……」

「ほんとにそれを望んでいるんですか?」

「えっ……?」

「神崎さんは本当にそれでいいんですか?」

「私は……これでいいの……。」