だけど有無を言わさず時は進むし、ジェットコースターは止まるんだ。 プシューという音と同時に 俺の裾から菜緒の手が離れる。 「すごかったねぇ」 「もう1回乗りたい」 「また来よう」 そんな言葉を耳に聞きながら ぐったりとした菜緒と地面に足をつける。 「怖かった?」 訪ねると 菜緒は怒ったような顔をして 「当たり前だ!」 と、左肩に軽いパンチをしてきた。 涙目でふらふらしながら去って行く菜緒は いつもよりも愛しく感じた。