えっ、と驚きの声が漏れた。
どうして知っているのだろう。どうして気付いたのだろう、という思いが頭を駆け巡る。
固まる私をクスリと笑うと、彼は続ける。
「いや、彼氏さんと別れたんじゃないかなぁ、と思って鎌をかけたんだすけど。」
「かま……。」
「本当みたいですね?」
茶目っ気たっぷりにそう話す姿に、もう隠すことも面倒になってきた。
確かにそうだ。私はほんの一週間前、二年間を共に過ごした彼と別れた。
しかもその理由は、彼の浮気で。
情けないことになんと半年間もの間浮気されていたらしい。
それも相手は私より六歳も若い学生で。いつの間にやら、彼のなかで彼女と浮気相手の立場が逆転していたことすら、私は気が付かなかった。
そしてある日彼の部屋へ行ってみると、知らない女とベッドで抱き合っているという、なんともドラマのようなことが起き。
呆然のする私に彼は、「何でお前がいるの?」と、あっけらかんとした態度で言ったのだ。