始業式も終わった放課後。
 美鈴が駆け寄ってきた。

「ねぇ。やらないの?親睦会??」

「え~・・。別にそんなのいらなくない?」

 はっきり、言って早く帰りたいです!精神的に疲れました!

「つれないなぁ~・・・」

 美鈴はそう言いながら、ふらふらと教卓に立つと

「親睦会やる人~!!委員長がやるって!」

「言ってないし!!!!」

 私の声は届かない。みんなの賛成の声のほうが大きかったから。

「よっし!海行こう!!せいしゅーん!!」

 そんなこんなで、クラスのほぼみんなが参加ている親睦会が始まった。

「海だ!!青春だ!!ちょ、写真とろーや!」

 そんな声が辺りから響く。
 そろそろ、お開きかな?暗くなってきたし。そう思っていると、誰かが

「花火したい!花火!!」

「いいねぇ!!ちょっと、委員長買ってきて!!」

「委員長は便利屋じゃないです!!」

 私がそう叫ぶと、美鈴が

「いいじゃんいいじゃん!今は聞いといたほうがいいと思うよ~。クラスで何かを決めるとき、大変になるよ~♪」

 おぉぉい!美鈴楽しんでるな・・・
 私は、美鈴の言葉に負けてしぶしぶ歩き出した。

 花火とか今の季節おいてんのかな??
 お菓子とかもあったほうがいいかなぁ~重くなりそう。

「おい」

 !!
 声がしたほうを振り向くと、赤石君が立っていた。

「どうしたの??なんか、買うものの追加?」

「いや、ほら・・俺も学級委員長だし??・・・手伝う」

 意外だなぁ・・・

「あ、あり・・・がと」

 でも、来てほしくなかった。
 私は、男の子に馴れてないから。絶対静かになっちゃう。気まずくなっちゃう・・・。

 二人で黙々と歩き、黙々と選び、店を出た。事務的な会話しかしてない。
 だから来なくてよかったのに。気まずい・・・

「どいて」

 不意に赤石君が、左から、右にずれた。
 ? なんかあるのかな??

「あ、ごめん・・・。」

「いや、うちの母ちゃんが女の子は大事にって・・・」

「?どういうこと??」

「車道寄りは、男が歩くべきだろ」