「あ・や・か~!!また同じクラスやね~」

 友達の美鈴が私に走り寄ってきた。
 私は、掲示板を見上げる。そこには、2年2組に佐々木綾香と木下美鈴の文字が並んでいた。

「ホントやん!!うわ~・・・うるさくなりそぉ~」
「ちょっと!!そこは、嬉しいでしょ~!もぉ~」

 春の暖かい風が、私たちのスカートを揺らす。

「でも、大学受験で忙しくなる3年で遊べなくなるから、いまのうちにっていう、年だよね~」

 美鈴が長いまつげを伏せてつぶやく

「そやねぇ~。よしっ!美鈴!!今年はいっぱい遊ぶぞ~!」
「おぉ~!!」

 そんなことを言いながら、私たちは新しいクラスへと歩き出した。


 クラスは見知った顔も見知らぬ顔もいた。

「よ~し、席に着け~」
 先生の言葉でガタガタとみんなが座り始めた。

「うし。俺が担任の下田だ。みんな一年間よろしく。2年生は遊ぶなら今って年だけど、遊び過ぎんようにな」

 美鈴と顔を見合わせて笑う