誰だ?誰なんだ?
好きな人なんていたのか?
確かにあいつはめちゃくちゃモテてるけど、ほとんど断ってたはずで、恋愛になんて興味ないタイプだったはず…
好きな人なんていたのか……?

「ははーん。その顔だと知らなさそうですね」

「べ、別に知りたくもないし」

「まぁ私は教えませんけどね~」

性格悪いなこいつ……

「今、性格悪いって思いましたね?」

「お前は心が読めるのか」

「顔におもいっきり出てますよ。優先輩って分かりやすいんですね♪」

「なんでもいいけど、鈴菜に好きな人がいるのは本当なのか?」

「やっぱ気になってる♪♪えぇ、そうですよ。だから先輩諦めちゃったらどうですか?諦めて私にすればいいじゃないですか」

「いや、でもごめん。あいつに好きな人いてもやっぱあいつじゃなくちゃダメなんだ」

「ふーん?つまんないの…」

「なんか言ったか?」

「いえ。じゃあこうしましょうよ!!私といったん付き合って、それを鈴菜先輩に言って、それで反応試してみたらどうですか?」

「なんでいったんお前と付き合わなくちゃいけないんだよ。第一そんなことする意味がない」

「じゃあここで鈴菜先輩の好きな人教えましょうか??」

ここで、鈴菜の好きな人を聞くのか?
俺はそれを聞いて堪えられるのか?
いや、だいぶ無理がある
俺はまだ鈴菜の好きな人を知らずに鈴菜のそばにいたい
もし俺が知ったら、俺は鈴菜のそばにはいないほうがよくなるんじゃないのか?

「わ、分かったよ…いったん付き合うよ」


そうして俺はこの後輩「玉森 優実」高校1年生と付き合った