でも、理由くらい聞きたい。
隣のクラスに行っても会えないし、でも廊下でパタリと会った。

「なあ。」


おい。なんで無視するんだよ。


「なあ。待てよ。」
「やめて!!」

俺はびっくりした。つかんだ手を思いっきり離されたから。

「やめて。お願い。」

でも俺は見てしまった。心愛の右手によって隠された左の腕に大痣があることを。

「その痣はなに?」
「っ!!!見ないでやめて!お願いだから関わらないで」


俺は我慢できずに手を引っ張って屋上へ連れて行った。