「なげーよ。」
後ろからいかにもかったるそうな声が聞こえる。
「勇介。少しくらい我慢しろよ。」
俺は小声で勇介を注意する。
「俺長い間じっとできないの☆…あ。あの子お前のラブな子じゃねーの?」
ニヤニヤしながら舞台を指差す。
そこには新入生代表にあの子がいた。
ラブな子って…
「新入生代表1年2組白雪怜」
白雪…れい…?
おとぎ話のお姫様にいそうな名前。
しらゆき…か。
その子は小さく小柄で白く透き通った肌に細い体ショートカットが似合う清純派ってとこかな。
まるでお人形さんみたいだ。
魔法をかけられたみたいに周りの咳やクスクス笑う声を一気に聞こえなくなり目線は彼女一点だった。
新入生代表の挨拶が終わり退場する時にクラスの女子の話が聞こえた。
「あの子ロボットちゃんじゃない?」
ロボット?
よく意味が分からないけどその言葉が彼女を苦しめる言葉ってことをまだ知らなかった。