絆来サイド
2組か…
「俺、田舎に住んでてよかったよ。こうやって知ってる奴らばっかで。」
「まあ絆来の性格じゃこの高校は適してるな。」
俺は人見知りで初対面の人とはテンパって何も話せなくなる。
俺の狭く深くの友達関係で勇介は1番の理解者。
なんでも言えるしなんでも知ってる。
まあ時には悪用されるけど…
「式が始まるぞー!皆並べー」
いかにも真面目な先生が呼びかけをする。
並びますよーだ。
教室を出ようとすると短い髪を揺らした女の子が通って行く。
見たことある…
人見知りで人の顔を10秒も見ていられない俺がなぜかその子をじーっと見つめていた。
「きゃーストーカー♡」
勇介が耳元で気持ちの悪い声を出してきた。
「そんなに見てたらあの子穴あいちゃうよ?」
なんて冗談を言いながら体育館に入っていく。