拗ねたように顔を歪ませて。 「ふっ……んっ……」 キスをした。 強引で乱暴な口づけに息が苦しくなる。 前好きだった人なんてもう関係ないし、彼しか最初から見えてないのに、もっと彼だけでわたしは満たされる。 その時、ドキドキさせることは出来なくても、ヤキモチ焼かせることぐらいなら出来るんだな……ってちょっと嬉しくなったことは内緒。 「電車――…だ……んんっ」 周りなんて見えてないのに視線を感じて、彼を止めようと口を開くと、また塞がれた。 わたしの息。全部持っていかれそう。