「好きだ」

俺の目の前には俺の大好きなここ。

目をまん丸くして、俺の顔をじーっと見つめるここ。
その大きくて茶色い目で見られたら吸い込まれてしまいそうになる。

キスをしようと少しずつ顔を近づけていくけど、ここの口から出た言葉はそんなに甘いものではなかった。

「遊びのくせに」

心に何かトゲのあるものが刺さった。

そりゃ俺は女遊びしてるよ?
でもな、それはお前が俺と付き合ってくれないから。
ヤキモチ焼かせて、俺のとこくるの待ってるってわけ。
ま、ガキみてぇなことしてるっつーのは自分でもよくわかっている。

でも、ここは…
ここだけは…
誰にも譲れねぇ。
初めて俺が好きになった女。

「私は、大和が好きだよ…?でも…そんな言葉ほしくない」