好きになっちゃダメですか?

「ここ!」

後ろから聞こえる私を呼ぶ声。
その声は低く、不機嫌なときの彼の声。

後ろを振り返ると、やっぱり、不機嫌そうな大和がいた。

「一緒に帰ろっつったじゃん」

私、返事してないし。

「忘れてるのかと思ったし。それに、薫ちゃんとかいるからいんじゃない?」

わざと冷たくあしらう。
こうでもしなきゃ…

私は体を前に向かせ、浩輔の手をひき、足を進める。

「待てよ」

私の手を握り、引き止める大和。

やめてよ…
人が頑張って諦めようとしてるときに…
こんなことしないでよ。

「浩輔、ごめん。先帰ってて」

私は浩輔を巻き込みたくなくて、先に帰ってもらう。

「浩輔ってやつのこと好きなのかよ」

何で浩輔?
意味がわからない。

「友達だよ?好きに決まってるじゃん」

「俺は?」

なんで聞くのよ…
やめてよ…

「……」