「ねえ、今朝なんだけどさ――」

 肩までお湯に浸かりながら、隣に座る小島に話しかける。
 とはいえ、化粧が取れて普段とは全く違う顔になっているので違和感がありまくりなのだが。

 童顔になっている小島が「ハイ?」と言いながら私に顔を向ける。
 ちょっと聞き難いが……それでも気にしてウジウジしているよりはよほど私の性格に合った行動だと思う。
 思い切って……聞くんだ!私!!

「今朝って、池田クンの遅刻を私に伝えてくれたじゃない? あれってどうして?」

 ちょっとストレートな聞き方になってしまったかもしれない。
 普段からボーっとしている小島だったら、私が大樹クンに好意を持っていることを気が付かないかもしれないけど……でも、『女のカン』ってたまに鋭いからなあ。

……心配しながら、小島の返答を待つ。