外回りに出ていたり、お弁当持参のためオフィスから出ない人間を除いた課員、六人を引き連れて会社から歩いて五分ほどの場所にあるイタリア料理店『イル・アバッキオ』に向かう。

 本当は大樹クンと二人きりのランチ……というのが望みではあるが、それも恥ずかしい。
 というか、二人きりになってしまうと照れて食事どころではないだろう。
 そういう意味でも、この集団でのランチが非常にありがたい。

 行く行くは大樹クンと二人きりのランチとかディナーとかして……『食事の後は杏子、キミをいただいちゃおうかな』……とか!!

 良いねえ!そういうことになれば良いねえ!是非とも実現させてみたい。
 夢は膨らむ一方だ。


「課長、入らないんですか?」