甘い雰囲気を出せる場所に移動……できるはずも無く。

 目の前で大樹クンは白いベッドの上に寝かされている。
 腕からは細いチューブが伸びていて、その先には水分補給のための点滴が吊るされている。

 テーブルに突っ伏してしまった大樹クン。
 慌てて駆け寄ると、身体がブルブルと震えてて。
 呼びかけてみても返答が出来ないような状態になっていた。

 救急車を呼んで、病院に担ぎ込まれて――診断結果は『急性アルコール中毒』。
 すぐに点滴を投与してもらうことになり、現在はすでに容態は安定している。

――やっぱり、私が悪いんだろうか?

 気が急くあまりに、大樹クンに矢継ぎ早に質問してしまい、それで恥ずかしくなった大樹クンは一気にお酒を飲んでダウン……それが一番正しい見解だと思える。