「瀬戸くん、ちょっと顔を上げてもらっていいかな?」

 真横から聞こえた少しカン高い声に、PCの画面から目を離す。
 いつの間に来ていたのだろうか、私のデスクの斜め前に営業部の部長である海野部長の姿があった。

 部長はこちらに顔だけを向けていて、その隣には三人、スーツ姿の人物が並んでいる。
 後ろ姿ではあるが、見慣れない三人である――。

(ああ、そうか……)

 その並んだ人物を見て、私はすぐに部長の用件を理解した。
 先週に聞いていたことだ、今週から私の課にも新人が入るのだった、と。