非常に興味はある。
 しかし、聞いていいものやら、という遠慮の気持ちもある。

 ヘタな聞き方をして、万が一にも古傷とかをエグってしまった日には……今後、大樹クンとそういった類の話は禁句になってしまいかねない。

 そうなれば、私が大樹クンと付き合うという話に持って行くのもかなり困難になってしまうことであろう。
 それは避けておきたいところである。
 ただでさえ障害の多い恋なのだ、自ら困難を招くような事はしたくない。

――でも……やっぱり知りたい。

 好きな人のことなら、過去を含めて全てを知っておきたい。
 いや、ストーカー気質とかじゃなくてさ。
 女ってそういうもんじゃないかい?

 それにしても、私から大樹クンに話を切り出すべきか、大樹クンから話し出すのを待った方が良いのか……沈黙がちょっと痛いゾ。