「あっ……!」

 小島の短い声が聞こえた。
 私の声が聞こえてしまったのだろう。
 小島が私の方をチラっと横目で見て、それから大樹クンの袖をツンツンと引っ張る。

 目配せをして、大樹クンがその目配せの意味を悟り私をチラっと横目で見た。
 大樹クンと私の視線が合って、ドキドキする。
 すっとこのまま視線を終業時間まで合わせていられれば幸せなのになあ……と思っていたのだが。

 ……気まずそうに、目を伏せられた。

 違う!違うの!!
 確かにソッチを見てたけど、怒ってるんじゃないのよ!!
 私も話に混ざりたかっただけなの!!

 大樹くんも、小島も。二人ともコソコソとデスクに向かって仕事を再開しだした。

……うう、絶対に怖い女だって思われた。