「分かったわ。昼までに目を通しておくから」

 橋本に答えながら、書類の一枚目に軽く目を走らせる。
 ざっと見ただけでも、資料の書式に間違いは見当たらない。
 きっと、中身の数値においても充分に信用のおけるものとなっているだろう。
 営業二課の、私の片腕として。橋本は信頼のおける男である。

「では、よろしくお願いします」

 そう言い残し、橋本が自分のデスクに戻る。
 書類をデスクの上に置いて……すかさず視線を大樹クンの方向へロックオン!!!

……あれ?デスクに大樹クンがいない?