優しい世界の愛し方

反対に、私は女子の嫌われもので。

友達の一人もいない。

それは誰もが知ってる事実のはず。

それなのに

「どうして......」

そういった途端、彼の歩みが止まった。

数歩歩いたところで私も止まり、振り返る。


来栖くんは、笑っていた。


まるで何か特別ないたずらをしかけた子どものような笑みだった。


今まで見せなかった表情に、ドキリと胸が鳴る。


「知りたい?」

そう言って、ゆっくりと、私に近づいてくる。