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夕日に照らされた道を、無言で歩く二人。
気まずい......。
チラリと来栖くんを盗み見る。
来栖くんは特にこの状況を気にしてない様子だ。
「あ、あのさ......」
沈黙にたまりかねて、私はとうとう口を開いた。
なんで私が気を使わなきゃならないんだ!
っていう思いもあったけど、
さすがにもう限界だった。
「ん? 何?」
「なんで私を送ってくれるわけ?」
「だーかーら! 話聞くって言ったじゃん! そのために部活も休んで......」
「そういうことじゃなくてさ」
ちょっとキツめの声で、来栖くんの言葉をさえぎった。
「どうして、私なんかにかまうのって話」
私と来栖くんはクラスメイトだけど、話したことなんか一度もない。
来栖くんはクラスの人気者で、誰にでも好かれる人だ。
いつも周りに人がいて
いつも周りを笑顔にする。
