魔法と恋の使い方




「はい…。どうぞ…!!」


扉の向こう側から理事長の声が響き
すかさず私は扉を開け一礼した。


奥に座る尖った茶系な老眼鏡から
デビィ婦人ばりの上目づかい越しに
私達をみるといきなり
手招きして椅子に座らせた。


「まあ…二人お揃いで…お知り合いなの?」


この学校の理事長である
…高浜 貴子〈タカハマ タカコ〉。
トレードマークはなんといっても
尖った色つきの老眼鏡で見られると
石になったように硬直してしまう
ほどリアルに恐い…。


だから今も身を引き締める緊張感が
心臓がドクドクと胸をうちつけた。