piano


「で、さぁ」


「何?」

「教えてくんない? 何であんたみたいな超能力(ちから)を持つ者がこんなところに閉じ込められてるのか。

あと、あのばあさんはどうしてここにいるのか」


昼食を食べ終えて。

さっきまでとはうって変わって真面目な口調で、少年が訊いた。


「何でそんなこと、教えなきゃいけないの? それに、超能力って?」

「あんた、自分の力に気付いてないの!? ちょっと、手を貸して」

出されたサヤの右手の上に、少年は自分の右手をかざした。


幽かに、蒼く光る。


「あれ? どうして……」


光は少し揺れながら、淡く瞬く。見つめているうち、自分の記憶に違和感を感じた。


「わたし……どうして、学校、行かなくなったんだろ……?」