『まぁな。いきなり叫ばれるし、投げ飛ばされるし、びっくりしたぜ。』て寿継はにへっと笑いながら言った。
『ところで、寿継はこんな夜中に何をしていたの?』

見た所、寿継は何も持っていなかった。

『あぁ。今夜はなかなか寝付けなくて、ちょっと散歩してたんだよ。ゆのはこそ、こんな夜中に何やってんだよ?』

『えっ…?』

核心を突かれたので、私は俯いてしまった。
『ゆのはみたいなお嬢様がこんな夜中に外にいるなんて変じゃん。』

『えっと…』

私が返答に困っていると、ひゅーっと口笛が聞こえた。

私と寿継は、聞こえた方向をみると、そこにはいかにもガラが悪そうなお兄さんが2人いた。

『よー。子供がこんな時間に何やってんだよ?お兄さん達と遊ばない?』と声を掛けてきた。

『えっと、その』

お兄さん達は段々と私達に近づいてきた。

『ゆのは』

寿継は私を庇うように私の前にたった。

『何、お前?野郎には興味ないんだよ!消えろ。』

雰囲気が重くなった。
そして、このままではヤバいのは見て分かる。

『寿継。』

私は寿継の服の袖を引っ張った。

私は帰ろうと意味で、服の袖を引っ張った。
だが、『ゆのは、大丈夫だよ。俺が守ってやるから。」と寿継は笑顔を見せた。

ち、ちげー!

違うよバカ!あれは帰ろうって意味なんだよ!あんな怖い奴らにかなう訳ないじゃん!

『はぁー。格好いいナイト様だね。』と不良はニヤニヤしながら言った。

『うるせーな!お前等には関係ないだろ!』
『なっ…』

あろうことか、寿継は不良達に向かって暴言を吐いた。

これで、無傷で帰れなくなった。

『調子に乗んなよ!糞ガキ!』

そう言って、不良は寿継に殴りかかった。

バシッと甲高い音が夜の公園に響いた。

『えっ?』

目の前には、不良を殴っている寿継の姿があった。

『ゆのは。俺がゆのはと同じように高井先生に武道教えてもらっていたの忘れてない?』と言う寿継は不良の腹に蹴りを入れていた。
もう一人の不良が、手に棒を持ちながら寿継の後ろに回っていた。
だが、寿継は気づいていない。

ヤバいと思いながらも、足が震えて動く事が出来ない。

このままじゃ、寿継が危ない!

(さっきの事を思い出して…)


『寿継!』

私は不良の顔面を思いっきり足で蹴った。

『武器とか卑怯なんだよ!この雑魚!』と私は手で顔をおさえている不良に向かって言い放った。