…やってしまった。

私は今外にいる。

父様にたいして、あんな態度をとってしまったんだ。

家にはいたくなかった。

といっても、時刻は深夜を回っている為、私には行く場所がない。
きっと、普通の学生からコンビニや、ファミリーレストランで時間を潰すんだろうなぁ。
たが、今の私はnoマネーな為お金がかかる場所には入れなかった。
益々、自分に嫌気がさした私は近くにある公園に立ち寄った。

夜の公園は不気味な場所だが、少しは休めるだろうと思い、私はベンチに腰掛けた。

気が付けば私は、幾度となく溜め息を吐いていた。

先程の事が脳裏にはしっかり記憶されていた。

私は父様に対して暴言、暴力を振るってしまった。

いくら、頭に血がのぼったとはいえ、あれは酷すぎだと自分でも思う。

あれじゃまるで、不良だ…。

私も自分の変わりようには正直言って驚いている。

でも、あの場に母様がいなくて良かった。

母様は弁護士だ。

いたら、きっとより一層大変な事になるだろう。

ざぁーっと少し風が出てきた。

風が吹く度に木々が揺れ、その音が怖くなってきてしまった。

『そろそろ、帰らなければ…。』

そう呟くと、私はベンチから立ち上がった。

すると、『ゆのは?』といきなり私の名前を呼ばれた。

突然の事に体がびくっと跳ね上がる。

足早に立ち去りたいのに、恐怖で足がすくんでしまう。

ぽんっと肩を叩かれたので、私は思わず『き、きゃー!』と叫び相手を背負い投げしてしまった。

はぁ、はぁと息を切らしながら私は先程投げ飛ばした相手を見た。
暗くて顔はよく見えないが、相手は男だった、

…!!

ま、まさか…変質者!?

どうしようと思い、あたふたしていると、聞き慣れた声が聞こえた。

『いって~。何すんだよ?ゆのは。』

『…!!と、寿継?』

私は恐る恐る聞いた。
すると相手は体を起こした。

服についた砂を落としているようだった。

『そうだけど。』

『な、何だ。寿継だったのね。びっくりさせないでよ。』と私は溜め息を吐きながら言った。

『悪い。ちょっとびっくりさせようと思ったんだけと、まさかあんなにびっくりするなんて思わなかったんだよ。』

『もう。子供なんだから。』と私は頬を膨らませながら言った。

『だからごめんって。』て寿継は頭を下げて誤った。

『もう平気よ。それに、私こそ投げ飛ばしてしまったのだし。』