突然の事に頭が真っ白になった。

『…と、父様。何故急にそのような事を?』
理由が知りたい。

私が武道の稽古を初めてもつ10年以上経つ。

あまりに今更過ぎる。
『お前は女の子だ。から、もうそれ以上強くなる必要なんてないだろう。』

『なっ…』

勝手だ。

勝手過ぎる。

あの時も父様は『女の子だから』と言っていた。

『で、ですが、私はもっ武道を続けたいです。』

私は父様に訴えた。

だが、『少しはお前も女性らしくなれ。強いだけの女なんて可愛くないぞ。』と溜め息も吐きながら父様は言った。

私はその言葉にかっと苛立ってしまった。

私は父様に詰め寄り、父様の机をばんっと叩いた。

『ふざけないで下さい!父様は勝手過ぎます。』

すると、父様の秘書の広田さんは『ゆのは様、落ち着いて下さい。』と落ち着いた口調で言った。

またしても、私は広田さんの言葉に苛立ってしまった。

『落ち着く?何を言っているんですか?』

『ゆのは、落ち着いて話を聞きなさい。』

『…はい』

父様の表情があまりにも真剣だったので、私は渋々応じた。

『お前、高井と付き合っているのか?』といきなり衝撃的な事を聞かれた。

『は?』

何いってのこいつ?と私は頭の中で父様を罵った。

『実はな、家政婦達からお前達のスキンシップが行き過ぎているのではないのかと言われてな。』

『はぁ。』

私は別に違和感なんて感じる事はなかった。
すると、父様は机の引き出しから数枚の写真を取り出した。

その写真は…

『ゆのは、お前はいつから高井とこんな事をする中になったんだけ?』

『…っ。隠し撮りですか?』

それは、こないだ高井先生が私の頭を撫でてくれた時の写真だった。

『隠し撮りなんて、最低です。』

『最低も何も、父親が娘を心配して何が悪い?』と父親は悪びれなく言う。

『父様、誤解です。私と高井先生の間にやましい事なんてありません!』

『なら、この写真は何だ?』と父親は写真を指でとんとんと叩いて聞いてくる。

『それは…。』

言えない…。

高井先生は私を励ましてくれたんだ。

でも、それは父親と母様に会えないのが理由だなんて言えない。

『何だ、言えないのか?それではやはりやましい事があるんではないか。』と勝ち誇った顔で父様は言ってくる。

『父様、違うんです!『どうせ、高井の方からお前に手を出し来たんだろ?』

『違っ…』