何だかんだ言っても美咲は心配して私を気遣ってくれる。
前に寝坊した時も私の携帯に電話掛けて、いいからと支度まで手伝ってくれたこともあった。
そしてそんなやり取りをしていたら、
ニャー
ニャー ニャー
ニャー ニャー ニャー
道路の脇に。
「猫だ・・・」
私たちは進めていた足を思わず止める。
「しかもみゆ、この子捨て猫だよ。」
そこには、まだへその緒が付いたままの小さな子猫がうずくまりながら鳴いている。
今の季節は冬。子猫には薄い小さな毛布がたった一枚掛かっているだけの状態だった。
とても放っておけるような状態とは言えない。いつからこの場所に捨てられたのかはわからない。
子猫は震えていた。
「美咲、この子どうしよう、このままだと凍死しちゃうよ。」
「だね・・・そうだ、とりあえずこれ!」
ゴソゴソッ
「タオルケット?」
「ン、なにもないよりマシかな。これ位しかしてあげられないけど。」
美咲はカバンからタオルケットを取り出して子猫にそっと掛けた。
子猫は泣き止んだ。
「やっぱり美咲は優しいね。これなら子猫も大丈夫かな?」
「うん、とりあえずうちらは学校行かないと。」