「――様、悠斗様」


閉じていた目をゆっくり開けると
そこは学校の前だった

運転手が心配そうにミラー越しに見てくる


「…ああ」


いつの間にか寝てたんだ


小さく背伸びをし車を降りると
俺に気付いた周りの生徒達が騒ぎ振り返る


「おはようございます」


遠慮がちに挨拶をしてくる者に
歩みを止め道を開けてくれる者


俺はいつからこんな風になったのだろう